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AIと生成AIの違いとは?使いはじめにつまずいた6つの違い

Claude Code生成AI活用

公開日

アウン・ピエAIエンジニア

結論から書く。AIの言葉を理解するために必要なのは、一つひとつの意味ではなく、「何と何が違うのか」です。

AIを使いはじめたころ、分からないことがいくつもありました。AIと生成AIは何が違うのか。ChatGPTとGPT-5は何が違うのか。画像を作るAIは別の種類なのか。コーディング用のモデルは別の技術なのか。

調べれば説明はたくさん見つかります。読みもしました。それでも、すっきりしないものが残りました。どの説明も一つひとつの意味は書いてあるのに、ほかの言葉と何が違うのかは書いていなかったからです。

混乱していたのは、意味ではなく違いのほうでした。その違いを6つ書き出してみます。先に一覧を見て、気になるところから読んでもかまいません。

違い ひとことで
AI と 生成AI 選ぶのか、新しく作るのか
アプリ と モデル 箱なのか、中身なのか
普通のモデル と コーディングモデル・推論モデル 土台は同じ、鍛え方が違う
入力した文 と プロンプト 打った一行なのか、送られる全部なのか
トークン と コンテキスト 単位なのか、上限なのか
生成AI と エージェント 書くだけなのか、自分で動くのか

1. AIと生成AIは何が違うのか

最初につまずいたのはここです。「AI」はどれも同じものだと思っていました。

実際には、AIはChatGPTが出てくるずっと前からあります。ネット通販の「この商品もおすすめ」、YouTubeが次の動画を選ぶ仕組み、迷惑メールの振り分け。どれもAIです。ただ、こうしたAIがやっているのは選ぶことです。これは迷惑メールか、そうでないか。この人はこの商品を好きそうか。すでにあるものの中から選んで並べています。

生成AIは、選ぶだけでなく、新しく作ることができるAIです。AIという大きなくくりの中の一つです。

作り方についても、思い違いをしていました。答えが一文字ずつ表示されるのを、読みやすくするための演出だと思っていたのです。実際は、本当にそうやって作っています。答えを全部用意してから見せているのではありません。次に来る言葉の可能性を計算して、その中から一つ選び、出したものを足してまた次を計算する。これを最後まで繰り返しています。コードを書くときも同じです。

生成AIが一文字ずつ文章を作る様子。毎回、次に来る言葉の候補を可能性の高さで並べ、その中から一つを選ぶ

生成AIが一文字ずつ文章を作る様子。毎回、次に来る言葉の候補を可能性の高さで並べ、その中から一つを選ぶ

画像を作るAIは別の世界のものだと思っていました。たしかに、多くの画像AIは作り方が違います。文章のように少しずつ足していくのではなく、ノイズだらけの画像から全体を少しずつ整えていきます。作り方は違っても、すでにあるものを探して見せるのではなく新しく作る、という点は同じです。どちらも生成AIです。

検索なら、見つからなければ「見つかりません」と返ってきます。生成AIは探しているのではなく作っているので、存在しないものも作れてしまいます。ときどき、もっともらしい作り話が出てくるのはこのためです。なぜそうなるのかは「AIが言うことを聞かない」のはなぜかで詳しく書いています。

見分け方:すでにあるものから選んでいるのか、まだないものを作っているのか。

2. アプリとモデルは何が違うのか

次につまずいたのは名前です。ChatGPTとGPT-5は同じものなのか、別のものなのか。

答えは別のものです。ChatGPTはアプリの名前で、開いたときに見える画面のことです。GPT-5はモデルの名前で、その中で動いているもののことです。

この記事を書いている時点では、Claudeならアプリの名前がClaudeで、モデルの名前がOpusやSonnetです(Claudeのモデル一覧)。Geminiはアプリもモデルも同じGeminiという名前なので、余計に分かりにくくなっています。モデルの名前は数か月で変わることもあります。

アプリの中には、モデルの名前が表示されている場所があります。そこを押すと、別のモデルに切り替えられます。箱はそのままで、中身だけを入れ替えられるということです。

チャットアプリの画面でモデルを選ぶところ。アプリはそのままで、中のモデルだけを切り替えられる

チャットアプリの画面でモデルを選ぶところ。アプリはそのままで、中のモデルだけを切り替えられる

見分け方:「AIがいまいちだ」と感じたとき、それはアプリの話なのか、選んでいるモデルの話なのか。

3. 普通のモデルと、コーディングモデル・推論モデルは何が違うのか

コーディング用のモデルは、別の技術でできていると思っていました。

実際は、土台は同じです。違うのは、学習させるときに何を重点的に鍛えたかです。コーディングモデルは、大量のコードで追加の学習をしています。コードの中にしか出てこないパターンに強くなるよう鍛えたものです。

推論モデルも考え方は同じで、答える前に自分で考えるよう鍛えたものです(Claudeでは拡張思考と呼ばれています)。下書きを作り、見直してから答えます。そのぶん時間はかかりますが、手順の多い問題には強くなります。選んでみるとすぐに分かります。答えが出る前に「考えています」と表示され、少し待たされます。その間に、中で下書きと見直しをしています。

見分け方:実は見分ける必要はありません。どれもモデルで、鍛え方が違うだけです。だから「どのモデルを使うか」は、道具を変える話ではなく、同じ道具の中で選ぶ話です。

4. 入力した文とプロンプトは何が違うのか

プロンプトとは、自分が入力した文のことだと思っていました。

実際に送られているのは、もっと多くのものです。

  • いま入力した文
  • 添付したファイル
  • それまでの会話の全部
  • あらかじめ設定しておいた指示(プロジェクトの指示やカスタム指示など)

これを全部まとめたものがプロンプトです。そう分かったとき、一つ腑に落ちたことがあります。自分が打ったのは一行だけでも、会話が長くなるほどプロンプトは大きくなっていく、ということです。

見分け方:自分が打った一行だけなのか、いま送られているもの全部なのか。

5. トークンとコンテキストは何が違うのか

この二つはいつも一緒に出てくるので、違いがよく分かりませんでした。

トークンは単位です。AIは文章を文字のまま読まず、細かく区切ってから扱います。その区切られた一つひとつをトークンと呼びます。

コンテキストは上限です。AIが一度に見られる量の最大値で、トークンで数えます(コンテキストウィンドウの説明)。キログラムと、飛行機に預ける荷物の重量制限(23kg)の関係に近いかもしれません。片方は単位、もう片方はそれ以上は入らないという上限です。

プロンプトが大きくなればトークンが増え、コンテキストが埋まっていきます。最初に伝えたことは、そのうち埋もれていきます。「さっき言ったのに守ってくれない」が起きるのはこのためです。上限に本当に達すると、「会話が長すぎます」と表示して止まるツールもあります。どうすればいいかは「さっき言ったよね?」AIがルールを守らなくなるのはなぜかで書きました。

見分け方:単位の話なのか、上限の話なのか。

6. 生成AIとエージェントは何が違うのか

最後の一つは、分かるまでにいちばん時間がかかりました。

生成AIが返すのは文章だけです。「この問い合わせに返信しておいて」と頼めば、返信の文面は書いてくれます。送るのは自分です。エージェントは、実際に送ります。

道具を使う権限を渡しているからです。メールを送る、ファイルを読む、記事を投稿する。そして、どの道具をいつ使うかを自分で判断します。この違いがどれほど大きいかは、実際に一つ作ってみたときに身にしみて分かりました。

生成AIとエージェントの違い。生成AIは返信を書くだけで、送るのは自分。エージェントは自分で送る

生成AIとエージェントの違い。生成AIは返信を書くだけで、送るのは自分。エージェントは自分で送る

見分け方:文章を返すだけなのか、自分で動くのか。

6つを書き出してみて、気づいたことがあります。以前読んだ説明は、どれも間違ってはいませんでした。一つひとつは正しかった。ただ、一つずつ別々に説明されていたので、何と何が違うのかが見えてこなかったのです。

次に知らない言葉を聞いたら、意味を調べる前に、何と違うのかを探してみてください。そのほうが早く分かります。

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